深田 上 免田 岡原 須恵

ヨケマン談義11.昔懐かしふるさとの味

11-27.サトガラ(イタドリ)

 サトガラ(イタドリ)もオヤツであった。図1のサトガラ(イタドリ)は、タデ科の多年生植物で、別名はスカンポとかイタンポと言い、この名は、茎を折るとポコッと音が鳴り、食べると酸味があるからとも言われるが九州ではサトガラとかスカンポと言う。
サトガラ(イタドリ)は、北海道西部以南の日本や台湾、朝鮮半島、中国に分布する東アジア原産種の植物であるが、現在は、「世界の侵略的外来種ワースト100」の中の一つである。とにかく繁殖力が強く、19世紀にイギリスに輸出されたが、この地下茎がまたコンクリートやアスファルトを突き破るほど被害を与え、イギリスの銀行は、その土地にイタドリの生えている痕跡が認められると、土地を担保にローンを貸してくれないほどであったという。アメリカでも同様に被害が出ているが、日本では、ワラビ・ゼンマイ・タラ・木の芽とならんで山菜として親しまれている。

 サトガラは生でも食べられる。サトガラをオヤツ替わりに食べたという便りも何人かの方から頂いた。筆者も、山野に出かける遠足では、道端のサトガラをポキット折って皮むいてかじったものである。塩などをつけると酸味は和らいでおいしかった。沢山とれたときは塩漬けにして保存、塩漬けすると酸味も消えて食べやすくなる。一年くらい塩漬けをしたのを戻して食べても酸味は気にならないという便りもあった。
 サトガラの酸味を抜く方法は、さっと茹でてから皮を剥き(図2)、水に1日くらい浸しておけば大体抜ける。しかし、サトガラにはシュウ酸が多く含まれているので水を2~3回換えたほうが酸味成分は抜けやすいとのことである。

 サトガラの食べ方について、知多市在住の里山ある子さんのキンピラ、高知県在住の文太さんの炒め煮を紹介しよう。前処理として、サトガラを沸騰寸前のお湯に暫くつけ、あげて冷めたら皮をむき、約40度の湯に浸しておく。時間は酸味の好みによって半日から一晩である。これをベースに、キンピラや煮物にしたものが図3図4である。

サトガラ サトガラ調理例
図1.サトガラ   図2.茹でる     図3.キンピラの例    図4.炒め煮の例

 サトガラの葉や茎の色は、土壌(酸性やアルカリ性の度合い)によって赤みを帯びたり、緑色が強くなったりする。(図1の出展:Wikimedia Commons)




(編者追記):私は、「サトガラ」と言った記憶はなくて、「スカンポ」って言っていた様な。
この夏、向こうから来るおじさんが乗った自転車の前かごに、何と、長いスカンポが5~6本。「今でも食べる人が居るんだ…と。そして、そんなに長かったら食べられないんじゃないの…」とも思ったが、スカンポが食べられることを知っている年代の方だった。恐らく、淀川の河川敷で採ったんではないかと。


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